1. はじめに
Jamf Proを利用したMac管理において、CLI(コマンドラインインターフェース)は非常に強力なツールです。
ここでは、よく使われる jamf
コマンドを一覧にし、それぞれの使用場面も合わせて紹介します。

Macのトラブルシューティングや、MacとJamfサーバー間の通信トラブルにも役立つコマンドが含まれています。
管理作業において非常に便利ですので、ぜひブックマークして活用してください!
以下で紹介するコマンドの中には、sudo jamf recon
のように、最初に sudo
を追加して実行する必要があるものもあります。
2. Jamf コマンド一覧と使用場面(システム管理系)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf about | Jamfバイナリの情報を表示 | Jamfバージョンや設定確認 |
jamf version | バイナリのバージョンを表示 | トラブル時のバージョン確認 |
jamf help | ヘルプを表示 | オプションやサブコマンド確認 |
jamf checkJSSConnection | JSS(Jamfサーバー)への接続確認 | 通信エラーやネットワーク診断 |
jamf createConf | Jamf構成ファイル作成 | バイナリ再インストール時や初期設定 |
jamf enroll | クライアントをJamfに登録 | 再登録や手動登録 |
jamf removeFramework | Jamfの管理解除 | 廃棄・譲渡・再セットアップ時(注意) |
jamf manage | 管理情報を再適用 | 管理フレームワーク再構成 |
jamf recon | インベントリ再送信 | 情報更新、ポリシー実行のトリガー |
jamf policy | ポリシー強制実行 | アプリ配布・スクリプト即時実行 |
jamf log | Jamfログ出力 | ポリシーの成功/失敗確認 |
jamf flushPolicyHistory | ポリシー履歴削除 | ポリシー実行後の履歴削除 |
jamf resetPassword | ローカルパスワードリセット | パスワード紛失時(注意が必要) |
jamf changePassword | パスワード変更 | 現在のパスワードがわかっている場合に推奨 |
jamf renewDeviceCert | 管理用証明書の更新 | 証明書エラー修復 |
3. Jamf コマンド一覧と使用場面(ユーザー・アカウント関連)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf createAccount | ローカルアカウント作成 | 教室Macやキオスク端末の初期設定 |
jamf deleteAccount | ローカルアカウント削除 | 不要アカウント削除時 |
jamf listUsers | ユーザー一覧を表示 | ログイン履歴確認や削除前のチェック |
jamf displayMessage | ユーザーにメッセージ表示 | 管理者からの通知や注意喚起 |
4. Jamf コマンド一覧と使用場面(Dock / システム設定系)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf modifyDock | Dock構成変更 | Dock初期設定配布や整理 |
jamf fixDocks | Dockの疑問符を修正 | macOSアップデート後の不具合対応 |
jamf setComputerName | コンピュータ名を設定 | 管理名統一や導入時の命名規則に沿って変更 |
5. Jamf コマンド一覧と使用場面(プリンター / ネットワーク)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf mapPrinter | プリンター設定を適用 | 共有プリンターの初期設定に |
jamf deletePrinter | プリンター削除 | プリンター変更時の対応 |
jamf mount | サーバーマウント | ファイルサーバー接続制御に |
jamf unmountServer | サーバーアンマウント | サーバー切断時 |
6. Jamf コマンド一覧と使用場面(起動・セッション系)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf startup | 起動スクリプトトリガー | 起動時のポリシー実行を手動で再現 |
jamf createSetupDone | セットアップアシスタント非表示設定 | DEP外端末のセットアップ制御 |
jamf deleteSetupDone | セットアップアシスタント表示設定 | セットアップ再表示時に使用 |
jamf reboot | 再起動 | 設定反映・ポリシー実行後などに使用 |
7. Jamf コマンド一覧と使用場面(その他)
コマンド | 説明 | 使用場面 |
---|---|---|
jamf launchSelfService | Self Serviceを起動 | エンドユーザーにすぐ起動させたいとき |
jamf runSoftwareUpdate | macOSのソフトウェアアップデート | アップデートの強制適用 |
jamf uninstall | パッケージのアンインストール | アプリ削除や再インストール時 |
8. グローバルフラグ一覧(共通オプション)
Jamfコマンドに共通するフラグ(オプション)は、コマンド実行時に特定の動作を追加するために使います。
これらのオプションを使用することで、より詳細な情報を表示したり、動作をカスタマイズしたりできます。
グローバルフラグは、コマンドの後に付け加えることで適用されます。
例えば、jamf checkJSSConnection
コマンドを使用する際に、トラフィックの詳細情報を表示したい場合は次のようにコマンドを実行します。
jamf checkJSSConnection -displayJSSTraffic
それぞれのオプションについて、簡単な使い方を以下に紹介します。
フラグ | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
-displayJSSTraffic | JamfバイナリとJSS(Jamfサーバー)間の通信トラフィックの詳細を表示します。通信状況をデバッグしたい場合に便利です。 | jamf checkJSSConnection -displayJSSTraffic |
-randomDelaySeconds | コマンド実行前にランダムな遅延を設定します。最大遅延秒数を指定できます。サーバーへの負荷を分散させるために使用することができます。 | jamf recon -randomDelaySeconds 10 |
-showPID | 実行中のプロセスID(PID)を表示します。プロセスを監視したい場合に便利です。 | jamf policy -showPID |
-stopConsoleLogs | コンソールへのログ出力を停止します。デバッグやログを最小限にしたい場合に使います。 | jamf reboot -stopConsoleLogs |
-verbose | 実行されるすべての詳細なログを表示します。エラーやトラブルシューティング時に有効です。 | jamf recon -verbose |
これらのグローバルフラグを活用することで、特定のコマンド実行時に得られる情報や挙動を制御することができます。
たとえば、ネットワークのデバッグが必要な場合は -displayJSSTraffic
を使って、コマンド実行の詳細な流れを確認することができます。
また、複数のデバイスに対してコマンドを適用する場合に、ランダムな遅延を加える -randomDelaySeconds
でサーバーへの負荷を分散することができます。
これらのオプションを組み合わせることで、より効率的かつ柔軟なMac管理が可能になります。
おわりに
Jamfコマンドを活用することで、システム管理からトラブルシューティング、ユーザーアカウント管理まで、さまざまな管理タスクを効率的にこなすことができます。
この記事で紹介したコマンドを、日々のMac管理業務に役立ててください。