1. はじめに
Jamf Proのバージョン11.16が、2025年4月15日に正式にリリースされました。(Jamf社公式リソース)
今回のアップデートでは、セキュリティ、アプリ配信、インベントリ、事前登録、そしてApple Intelligenceの管理に関する大きなアップデートがありました。
本記事では、その中でも個人的に特に注目すべき以下2点について詳しく解説します。
- Apple Intelligence(AI機能)への制限範囲追加
- コンピューターの事前登録機能のアップデート
- Jamf Pro 11.16.0での主な修正点
2. Jamf Pro 11.16 新機能ハイライト(簡易まとめ)
まずは、Jamf Pro 11.16のリリースノートの内容を簡単にご紹介いたします。
- セキュリティ基準の自動化
- CIS(Center for Internet Security)ベンチマークに基づく「コンプライアンスベンチマーク」が導入。セキュリティ基準の自動チェックが可能に。
- Appインストーラの展開制御
- アプリ配信スケジュールの柔軟な設定が可能に。夜間や週末に集中展開するなどの調整が行えます。
- Apple Intelligenceの制限追加
- 構成プロファイルを利用したApple Intelligenceの制御範囲が追加されました。
- Entra ID統合の強化
- Microsoft Entra IDの
onPremisesExtensionAttributes
に対応し、より柔軟な属性連携が実現。
- Microsoft Entra IDの
- SSO設定のカスタム構成
- 共有デバイスでのログイン管理を強化。PLISTアップロードによりSSO構成のカスタマイズが可能に。
- 事前登録設定の強化(PreStage Enrollment)
- macOS 15.4以降のMacでは、自動デバイス登録中に「Macを自動的にアップデート」画面のスキップが可能に。
さらに、モバイルデバイスの事前登録設定では、「安全性と取り扱い」画面のスキップにも対応。ユーザー体験をよりスムーズに。
- macOS 15.4以降のMacでは、自動デバイス登録中に「Macを自動的にアップデート」画面のスキップが可能に。
3. Apple Intelligence に関する構成プロファイルを利用した制限追加
Jamf Pro 11.16では、macOS 15.4およびiOS/iPadOS 18.4以降の監視対象デバイスに対し、Apple Intelligence の機能を構成プロファイルで制御できる範囲が追加されました。
■ コンピューター構成プロファイル(macOS 15.4以降)
制御項目 | ペイロードキー | 内容 |
---|---|---|
Apple Intelligence レポートの許可 | allowAppleIntelligenceReport | Apple Intelligenceによるレポート生成を制限可能 |
メールのスマートリプライの許可 | allowMailSmartReplies | ユーザーによるAIによるメール返信提案を無効化可能 |
Safari の要約機能の許可 | allowSafariSummary | WebページのAI要約を無効化可能 |
■ モバイルデバイス構成プロファイル(iOS 18.4以降)
制御項目 | ペイロードキー | 内容 |
---|---|---|
Apple Intelligence レポートの許可 | allowAppleIntelligenceReport | Apple Intelligenceによるレポート生成を制限可能 |
メールのスマートリプライの許可 | allowMailSmartReplies | ユーザーによるAIによるメール返信提案を無効化可能 |
Safari の要約機能の許可 | allowSafariSummary | WebページのAI要約を無効化可能 |
4. macOS・iOSデバイスの事前登録設定がさらに強化!
Jamf Pro 11.16では、自動デバイス登録時にスキップ可能な設定項目がさらに拡充されました。
これにより、Appleデバイスの初期導入フローをよりスムーズに、管理者の意図した構成で展開できます。
(※現在のMacの設定アシスタントは何が表示されるかは、Apple公式資料の「Appleデバイスの設定アシスタントを管理する」で確認取れます)
- コンピューターの事前登録設定(macOS)
- 追加された設定項目
- 設定に含まれるキー:
SoftwareUpdate
- 対象OSバージョン:macOS 15.4 以降
- 内容:自動デバイス登録時に、「Macを自動的にアップデート」の設定画面をスキップ可能に。
- 設定に含まれるキー:
- 追加された設定項目
- モバイルデバイスの事前登録設定(iOS/iPadOS)
- 追加された設定項目
設定に含まれるキー:SafetyAndHandling
対象OSバージョン:iOS 18.4 以降
内容:デバイスの初期設定時に表示される「安全性と取り扱い」の画面をスキップ可能に。
- 追加された設定項目

IT管理者は、より一層初期設定の時間を短縮し、エンドユーザーによる設定ミスを防止にも役にたち、
ユーザー体験を統一することができるね!
Jamf Pro 11.16は、Appleデバイスをよりスマートに管理したいIT管理者にとって、欠かせないアップデートとなってます。
macOS 15.4 や iOS 18.4 の導入を見越して、構成プロファイルや事前登録設定をぜひ見直してみて!
5. Jamf Pro 11.16.0での主な修正点
最新バージョンである Jamf Pro 11.16.0 で、多くのバグ修正とパフォーマンスの改善が行われました。
この記事では、公式リリースノートに基づき、特に注目すべき「解決済みの問題」のポイントで解説します。
- インベントリ更新のパフォーマンス改善
- 多数のコンピュータが同時にインベントリをアップデートする際、サイトに属するデバイスの処理が遅延する問題が解消されました。
- モバイルデバイス管理の安定性向上
- 特定の条件下でモバイルデバイスの管理コマンドが失敗する問題が修正され、デバイス管理の信頼性が向上しました。
- ユーザーインターフェースの不具合修正
- 一部の画面で表示が崩れる、または操作ができなくなる問題が修正され、管理者の操作性が改善されました。
- セキュリティ関連の修正
- 特定の条件下で発生するセキュリティ上の脆弱性が修正され、システム全体の安全性が強化されました。
さらに詳しい詳細を確認されたい方は、Jamf Pro 11.16.0 解決済みの問題(日本語)をご確認ください。
6. さいごに
Jamf Pro 11.16は、Apple Intelligenceへの対応範囲拡大により、AI機能を管理ポリシーに組み込む範囲が増え、セキュリティや業務効率の観点でも非常に価値あるアップデートとなりました。
さらに、macOSやiOSの事前登録設定が強化されたことで、初期導入時のユーザー体験もより洗練されたものになります。
これからmacOS 15.4やiOS 18.4の導入を予定している管理者の方は、Jamf Proの構成プロファイルやPreStage設定を今一度見直す良い機会かもしれません。
Appleの進化と共に、Jamf Proも確実に進化しています。これからも最新機能を活用しながら、よりスマートで快適なデバイス管理を目指していきましょう!