1. はじめに
Macの調子が悪いときや、クリーンインストールで新たなスタートを切りたいときに活躍するのが、「macOSインストールディスク」です。
この記事では、macOSのインストールディスクをUSBメモリに作成する方法をご紹介します。
インストールディスクが役立つ具体的なシーンとしては、
「Macが起動しなくなってしまった(いわゆる文鎮化)」「初期化を試みたが、エラーが出て途中で止まってしまう」などのトラブル時が挙げられます。
また、インターネット接続が不安定な環境でも、インストールディスクがあればmacOSの再インストールが可能です。
復旧用として1本用意しておくと、いざというときに安心です。

今回の記事は、20分で読めるようにしていますが、とてつもなく長いです!!お時間に余裕を持ってお読みいただくことを推奨しますw
2. 必要なもの必要なもの
作業を始める前に、以下のアイテムを準備します。
- 容量16GB以上のUSBメモリ
macOSのインストーラはサイズが大きいため、16GB以上の容量が必要です。可能であればUSB 3.0対応のものが推奨です。 - Mac本体
インストーラをダウンロードし、USBに書き込む作業を行うMacが必要です。 - 安定したインターネット接続
フルインストーラ(Full Installer)のダウンロードには数GBの通信が発生します。途中で通信が切れないよう、安定したWi-Fiや有線LANの使用をおすすめします。 - 管理者権限のあるユーザーアカウント
インストーラの書き込みには管理者権限が必要です。
3. インストールディスクを作成する時は、フルインストーラ(Full Installer)を入手
まずは、「macOSのフルインストーラ(Full Installer)って何?」という方のために、簡単に解説します。
macOSの フルインストーラ(Full Installer)とは、macOS全体を含んだインストール用の完全なファイルのことです。
通常、「システム設定」からのソフトウェアアップデートでは必要な一部のファイルのみがダウンロードされますが、インストールディスクを作成するには、このフルインストーラが必要になります。
フルインストーラの入手方法については後ほど詳しく解説しますが、現在はターミナルを使ったコマンド操作、あるいはApp Store経由の2つの方法が利用可能です。
4. インストールディスクの作り方
では、実際にmacOSのインストールディスク作成の手順を紹介いたします。
手順は、「OSのダウンロード」と「USBに書き込み」の大きく分けて2ステップです。
- OSのダウンロード(以下のいずれか方法を実施してください)
- ターミナル.app(Terminal.app)を利用したダウンロード方法
- ターミナル.app(Terminal.app)を開く
- 以下のコマンドをコピーし、開いたターミナルにペースト
softwareupdate --fetch-full-installer --full-installer-version 〔任意のバージョン〕
※例として、macOS Sequoia (15.4.1)のフルインストーラをダウンロードしたい場合は、〔任意のバージョン〕の箇所を 15.4.1 と書き換えてください。softwareupdate --fetch-full-installer --full-installer-version 15.4.1
- エンターをクリックすると、読み込みが開始され、「アプリケーション」フォルダにインストーラが保存されます
※お使いのMacに対応していないバージョンはダウンロードできない点に注意してください
- Apple公式ページを利用したダウンロード方法
- macOSのインストーラをダウンロードする(Apple公式)を開く
- 「App Store を使う」という項目の手順1に記載のあるOS名称の中から、インストールディスクを作成したいOS名称をクリック
※お使いのMacに対応していないバージョンはダウンロードできない点に注意してください。 - App Store の「入手」ボタンをクリックすると、ダウンロード開始され、「アプリケーション」フォルダにインストーラが保存されます
※PCによっては、「ソフトウェアアップデート」が開き、そこからダウンロードするように案内される場合があります。
- ターミナル.app(Terminal.app)を利用したダウンロード方法

「ターミナル.app(Terminal.app)を利用したダウンロード方法」を実施し、「Install failed with error: Update not found」とエラーが表示されるケースがあります。
その場合は、「Apple公式ページを利用したダウンロード方法」の手順を実行して、フルインストーラをダウンロードしてください。
エラーの原因は現時点では筆者も不明ですが、Appleシリコン搭載のPCだとコマンドでのダウンロードは可能ですが、
Intelチップ搭載のPCだとエラーが表示されるというのは確認済みです。
(長くなるので、割愛しますが、色々なパターンで検証しました。)
おそらく、AppleのサーバーからダウンロードしてくるインストーラがAppleシリコン搭載のPCでしか対応していないから、、、
とかでしょうか、、、。
おそらくですけど。。。
- USBに書き込み
- USBメモリをMacに接続し、「ディスクユーティリティ.app」で"Mac OS拡張(ジャーナリング)"形式でフォーマットします。
※この時、名前は必ず「MyVolume」にしてください。 - ターミナル.app(Terminal.app)を開く
- 以下のコマンドをコピーし、開いたターミナルにペースト
sudo /Applications/Install\ 〔ダウンロードしたOS名〕/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
※例として、macOS Sequoia のフルインストーラをダウンロードした場合は、〔ダウンロードしたOS名〕は、macOS\ Sequoia.app と書き換えてください。sudo /Applications/Install\ macOS\ Sequoia.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
- 鍵のマークが出たら、管理者パスワードを入力しエンターキーを押す。
- 書き込みが開始されるので完了すると、USBメモリがmacOSインストールディスク完成です。
- USBメモリをMacに接続し、「ディスクユーティリティ.app」で"Mac OS拡張(ジャーナリング)"形式でフォーマットします。

macOS\ Sequoia.appと書き換えとあるけど、\
(バックスラッシュ)って何?と思われた方もいるかもしれません。
これは、ターミナル.app(Terminal.app)上でスペース(空白)を含むファイル名やフォルダ名を正しく認識させるための記号です。
たとえば、「Install macOS Sequoia.app」というアプリ名にはスペースが含まれていますよね。
ターミナルでは、スペースは「ここで区切る」という意味になってしまうため、そのまま書いてしまうとエラーになります。
そのため、「スペースは文字の一部なんだよ」と教えるために、スペースの前に \
をつけてあげるのです。
例:
- NG(スペースが区切りと認識される)
/Applications/Install macOS Sequoia.app/...
- OK(スペースをエスケープしている)
/Applications/Install\ macOS\ Sequoia.app/...
このように、ターミナル.app(Terminal.app)ではバックスラッシュは「直後の文字を特殊な意味ではなく、文字そのものとして扱ってほしい」という指示になります。
少し慣れが必要ですが、基本を押さえておけば安心です!
Sonomaの場合は、macOS\ Sonoma.app
Venturaの場合は、macOS\ Ventura.app
Montereyの場合は、macOS\ Monterey.app
Big Surの場合は、macOS\ Big\ Sur.app
Big Surなんかは、なんか、ややこしいですねw
おわりに
macOSインストールディスクを1本用意しておくと、いざというときにすぐ対応できて非常に便利です。
今回紹介した手順は少しコマンド操作が必要ですが、やってみると意外と簡単なので、ぜひこの機会に作ってみてはいかがでしょうか?